パニック障害とは
想像してみてください。例えばあなたが突然、後ろから拳銃を突きつけられたら!?
心臓がばくばくして、全身が震え、冷や汗が出て、死んでしまうかもという恐怖に襲われるでしょう。
このように、命を脅かすような状況が突然襲い掛かったときに陥るパニックが、ある日、何の前触れもなく起こることを「パニック発作」といいます。パニック発作は繰り返して起こる特徴があり、発作自体を恐れるあまり、生活が不安に覆われ、行動範囲が狭まり、日常生活に支障を来します。うつ病を合併することも少なくありません。
症状
- 動機
- 息切れ
- 震え
- しびれ
- 冷汗
- 吐き気
- めまいやふらつき
- 悪寒やのぼせ
- 窒息しそうな息苦しさ
- 胸の不快感
- 現実感のなさ
- 死んでしまうかもという恐怖
- 気が変になるかもという恐怖
以上の13の症状のうち、4つ以上が突然発作的に始まるものをパニック発作といいます。
症状は嵐のように訪れ、5~20分ほどで治まります。精密検査を受けても何の異状も見つかりません。また、命にかかわることはありません。
予期不安
非常に苦痛で恐怖を伴う発作を繰り返すようになると、いつまた起きるかわからないという漠然とした不安と共に生活するようになります。また身体感覚に過敏となり、ちょっとした変化に対して身構えるようになります。
広場恐怖
パニック発作が起こっても逃げられない状況に身を置くことに恐怖を感じるため、公共の交通機関や、エレベータ、美容院、見知らぬ人に囲まれる公共の場所などに行くことを避ける回避行動のことです。この回避行動に、日常生活に支障をもたらすのです。
治療
認知行動療法とリラクゼーションに薬物療法を組み合わせるのが効果的です。
認知行動療法
パニック障害の仕組みを理解し、不安への対処様式を見直し、時間をかけて身体の変化への過剰反応を減らします。そして少しずつ苦手だった状況に身を置き、日常生活を取り戻します。
薬物療法
薬物療法は「抗うつ薬」と「抗不安薬」が使われます。薬物療法で症状を抑えつつ、認知行動療法に取り組むとよいでしょう。
リラクゼーション
腹式呼吸や瞑想を練習し、薬物療法以外にもリラックスする方法を身につけましょう。